日学・黒板アート甲子園®︎2022大会 ジュニアの部 結果発表

ジュニアの部 受賞作品

※学校名、グループ名、人数、作品画像、作品名、制作エピソード、講評の順で記載
※画像をクリック/タップすると作品を全画面表示できます

最優秀賞

松田町立松田中学校/松田中学校美術部/18人

作品名:神奈川東海道遠望之圖

丹沢山地、箱根山、富士山麓。本校の脇を流れる酒匂川は、足柄平野を抜けて相模湾へ。東海道は人やモノだけでなく、文化や歴史、時代も駆け抜けていきました。私たちが暮らす足柄西湘地域の風土やイメージを題材に、過去・現在・未来を見つめる自分たちの姿を描きました。
こだわったのは、ビルや橋などを立体的に見せる描き方や、花火などの「光」の表現です。上級生はより難しい表現に挑戦したので、何度も描き直して苦しいときもありました。そのぶん、完成したときの達成感はとても大きかったです。 時空をこえて、伝わる想い。
花火のように、強く、熱く、まぶしく、時に儚く。 黒板アートを愛するすべての人へ。

【評】

主役の男女をセンターに、四季折々の風景を見事に調和させ、色使い、レイアウト、ストーリー構成に感動いたしました。ジュニア部門作品で非常にスキルも高く素晴らしい作品だと思います。

優秀賞

春日井市立岩成台中学校/岩成台中美術部/12人

作品名:吹奏楽部への愛

一昨年、文化祭にて吹奏楽部の力強く迫力のある美しい演奏を聴いて鳥肌が立った。熱心に練習する吹奏楽部を同じ文化部として応援した作品だ。華やかな音色を色と花で表現した。

【評】

多くの色を使いつつ、楽しい学校生活を感じられる雰囲気で、レイアウト、描きこみのバランスが取れている作品だと思います。

熊谷市立富士見中学校/べりーず/5人

作品名:夢色に光る~世界は色でできている

授業で取り組んだマスキングアートと、グラデーションや、色彩学習をもとに描きました。今までの黒板アートに無い?デザイン的な色彩構成や抽象表現に挑戦してみました。マスキングテープを貼って行く作業に2日間もかかっています。水平垂直をきちんと作るのに苦労しました。彩色はアドリブ的なところが多かったので、グラデーションになるように合わせるのが大変でした。左は明暗、中央は色相、右は細かな変化を作りました。最後にテープを剥がす時のドキドキ、わくわくと、思った以上の仕上がりに大満足でした。

【評】

とにかく色彩が綺麗です。何色もの色チョークを組みあわせ色づくりを楽しんでいる姿が浮かびます。色を際立たせているのがマスキングテープでつくり出した黒い縦横のグリットライン。それによって生まれたマス目に、対角線をつないだ線分が斜めに幾つも走り、そのうち幾つかは交差し、線で描かれた模様にリズムを生み出しています。色彩グラデーションの柔らかさとグリットラインの硬さ。マスキングテープを使ってつくり出した黒板アートの発想も大いに評価できます。

東京都立武蔵高等学校附属中学校/東京都立武蔵高等学校附属中学校美術部/17人

作品名:金魚鉢の中の虚室

ラフとして描いた絵がとても幻想的な雰囲気だったためその世界観を壊さず作ることに苦労しました。ここにこの色のチョークで光を入れるときれい!や、このいろのチョークの粉とこの色のチョークの粉の色を混ぜるとあそこに使いたい色ができそうなど、みんなで考え、発見し、話し合いながら制作しました。コロナウイルスの影響で数年間できていなかった合作を部員の中の誰もやったことのない黒板アートでやることができてとてもよかったです。

【評】

他の作品にはない、独特な色の表現に目を惹かれ、光や影の描写から感性の豊かさが感じられます。また、逆さまになった教室、外を眺める人、巨大な金魚など、絵本の1ページのような、不思議な世界が表現された魅力的な作品です。

入賞

川崎市立金程中学校/はっぴー/5人

作品名:パシャッ!!!!

この作品は楽しそうに過ごしている美術部員を描いて「中学生らしさ」を表現しました。放課後にスマートフォンを持ち出して、遠近法を使った写真を撮っている様子です。撮影に使っているスマートフォンは、学校に持ってきてはいけないものを中学生の持つ「反抗心」の象徴として描いたものです。※この絵の中にあるレンガに見立てた門は、過去に美術部の先輩方が作られた作品です。左手前の人が来ているTシャツは美術部の部Tです。この絵を描く際に工夫した点は立体感や奥行き感です。特に手では光が当たるところを蛍光チョークで目立たせ、影の部分は黒板のじを活かし描きました。スマートフォンの画面内は最初原画の色どおりに塗ると、背景と同化してしまい、区別がつかなかったので、色を全体的に明るくしました。右側の背景にある空は、最終下校前の夕焼け空です。私達の地域は、自然が豊かで、空も綺麗なので、それが伝わるように、たくさんの色を使いグラデーションを意識して描きました。

【評】

インパクトのある構図の中に、スマートフォンのカメラを使った錯覚遊びが描かれた面白い作品です。夕焼けの空が見える窓を背景に、放課後の笑い声が広がる学校生活の様子が素直に表現されています。Tシャツのワンポイントも鑑賞者を楽しませてくれます。

浜松市立都田中学校/都田中学校美術部/10人

作品名:時代を超えて

私たちはまず、初チャレンジであった昨年度の経験と反省を生かすことを考えました。また、高校の部で前年度最優秀賞の大平台高校の先輩方にいただいた貴重なアドバイスを、どのように生かしていったらいいのかも話し合いました。色チョークを積極的に使って重色やグラデーションを積極的に行い、黒を効果的に使うことにしました。チョークはいっそ作ってみようという意見が出て、実験もたくさんしました。地域のパン屋さんや洋菓子屋さんから卵の殻をいただき、磨り潰したり陶芸用の窯で焼いたりして粉にし、白チョークを作りました。満足のいく肌色を作り出すことにも活用しました。頼りにしてきた3年生が引退し、1・2年生になって最初の協同制作だったので、絵のテーマや役割分担など、話し合いは難航しました。仲間と意見が食い違うことが多かったですが、それをプラスに変えようという意識は共通していたように感じます。私たちは、この絵を通して“自分らしさ”を大切にしつつ、“時代に合わせて生きる”ことの楽しさを伝えたいです。そのため、信長・秀吉・家康らしさは残しながら今の時代を楽しんでいる様に見せることにすごく気を配りました。来年は家康が主役の大河ドラマが予定されており、地元浜松市でも徐々に盛り上がりを見せています。美術部でも市のイベントに参加していく予定です。この作品づくりを通して培った仲間との絆を今後の活動に活かしていきます。

【評】

家康、信長、秀吉が現代の世の中に現れたらどんな感じ?家康にピアスを付けてみよう。カラ−コンタクトもしたらどうだろう。信長には口紅を。秀吉はイケメンの若いお兄さん風に…。背景にはすスイーツやジュエリーなども。中学生の妄想はひろがります。この作品の魅力は過去の武将を現代によみがえらせたこの発想と、それを描ききったカラフルな色彩です。巻物に描かれた主人公は勢い余って絵巻を飛び出し、何とも不思議な魅力的な作品です。

審査員特別賞

三澤先生選出 姫路市立夢前中学校/夢前中学校美術部夕やけ小やけ/6人

作品名:夕やけと海

時間がすごくかかって集中力が切れた時に、みんなで気分転換にラジオ体操をして楽しかったです。生徒指導の先生に褒められて、とてもうれしくて、頑張って良かったなと思いました。

【評】

単純化された形と色の響き合いが美しい。中央にある黒い枠は何でしょう。その中に描かれているのは海面に突き出たクジラの尻尾でしょうか。だとするとその左はクジラのジャンプ?それとも夕日を見る動物?しかし、それが何であるかはそれほど問題ではなのです。夕焼けの空には二羽の海鳥。画面の両端には木の枝。それら全てシルエットで描かれ、静かで穏やかな夢の中で起きているような日没の風景についつい引き込まれてしまいます。大人びた作画の中で小さな亀は中学生らしい愛嬌を感じます。

熊沢先生選出 名古屋市立神の倉中学校/アカンサス/5人

作品名:舞え

獅子舞には悪魔祓いや疫病退治、幸せを招くという意味を持っていて、今のコロナの時代にピッタリだと思いました。獅子舞を描くことで作品を見た人が少しでも幸せになってもらえたらいいなという私たちの願いも獅子舞に込めています。
作品の花1つ1つに獅子舞が幸せをもたらすことを表せるように、「幸せ」という花言葉を持った花を選びました。また、獅子舞の目や歯の影は紫色や青色、光の当たる所は黄色や白色、橙色を使い立体感を出しました。

【評】

獅子舞という悪を退治するモチーフを主役とし、色使いと和のデザインの融合と、モチーフの花に込めた訴求メッセージに学生さんの強いポジティブな気持ちが表現されていることを感じることができました。

西村先生選出 熊谷市立富士見中学校/おいなりさん/5人

作品名:ある日の美術館

一人一人が絵を考えて持ち寄って1つの作品となりました。チームの個性がでてよかったと思います。他のチームと比べて取り掛かりや、進行が遅くて心配でしたが、BGMを流したり助け合いながら完成を目指して頑張りました。画中画というのはとても難しかったです。額縁の模様や、人物の残像っぽい表現が思うようにず大変でした。

【評】

全体の配色とレイアウトのバランスが美しく、アーティスティックな作品です。余白としての壁の抜き方も絶妙です。人物の残像の表現が独創的に、静止画でありながらも時間の流れを感じさせます。

日学特別賞

野田市立岩名中学校/iwana"B"チーム/7人

作品名:夏

制作はコンセプト作りから始まり、ひまわり畑を表現することで意見は一致したものの、描きたいものが青空や夕陽などで意見は割れました。チームの中でも生徒同士のいざこざでまとまらない日々が続き、3日ほど儀間さんが独りで描いている日もありました。しかし夏休みも終わりに近づいた頃、自然に集まり最後まで描ききることができました。特にひまわりの遠近感を出すために遠くをぼかしたことと、種の部分をよく観察し、立体感が出るように描きました。

【評】

・青空のイメージが強いひまわりの背景に真っ赤ではなく、ピンクっぽい夕焼けを合わせた点がとても好みだった。遠近法もしっかり使えているし、チョークの淡い色合いが、少しずつ染まっていく夕焼けにピッタリだと感じた。
・広大なひまわり畑の臨場感が素晴らしい。
・引分式黒板を上手に使い、奥行きのあるきれいな作品に仕上がっている。製作中の苦労を想いながら向日葵を見ていくとジーンときた。
・引分式黒板いっぱいに広がるヒマワリがダイナミック!
・エピソードに頑張りを感じました

日本白墨工業賞

茨城県立並木中等教育学校/並木中等2年生美術部/9人

作品名:青春

暑い中での制作で、集中力を持続させるのに苦労したが、みんなで力をあわせて頑張った。天の川をスッパッタリングで描く際、制服に飛び散るのを防ぐためビニール袋を被り汗まみれになった。

【評】

中央の天の川を境に左側をカラフルに、右側を白を基調にしたモノトーンにしている構図やチョークを載せる部分との載せない部分のバランスが多くの色を使っていないのにもかかわらず、観る人の印象に残る作品にしています。
中央の色を抜くことで描かれた女の子から天の川へ学校の思い出が流れていく様子も1年間の学校生活をうまく表現しています。

参加校一覧(都道府県順)

立命館慶祥中学校

県千葉市立葛城中学校/千葉市立椿森中学校/加須市立加須東中学校/守谷市立愛宕中学校/江東区立有明西学園/奥多摩町立奥多摩中学校/板橋区立志村第四中学校/宇都宮市立瑞穂野中学校/相模原市立新町中学校/川崎市立金程中学校/神栖市立神栖第二中学校/白百合学園中学校/日本大学中学校/江戸川学園取手中学校/野田市立岩名中学校/市原市立ちはら台西中学校/松田町立松田中学校/千葉市立千城台南中学校/熊谷市立富士見中学校/さいたま市立常盤中学校/東京都立武蔵高等学校附属中学校/茨城県立並木中等教育学校/八王子市立七国中学校/結城市立結城中学校/

名古屋市立神の倉中学校/新潟県立津南中等教育学校/名古屋市立猪子石中学校/春日井市立岩成台中学校/みよし市立南中学校/南山中学校女子部/豊田市立足助中学校/浜松市立都田中学校/

京丹後市立網野中学校/和歌山信愛中学校/加東市立社中学校/河内長野市立長野中学校/神戸市立丸山中学校/双葉中学校/八尾市立曙川中学校/滋賀大学教育学部附属中学校/姫路市立夢前中学校/

萩光塩学院中学校/青開翔智中学校/広島市立幟町中学校/愛媛県立松山西中等教育学校/倉敷市立連島中学校/東広島市立松賀中学校/義務教育学校府中市立府中学園/

北九州市立霧丘中学校/宮崎市立大塚中学校