日学・黒板アート甲子園®︎2023大会 黒板の部 結果発表

メイン大会 受賞作品

※学校名、グループ名、人数、作品画像、作品名、制作エピソード、講評の順で記載
※画像をクリック/タップすると作品を全画面表示できます

最優秀賞

好文学園女子高等学校/好文学園美術部黒板アートチーム/13人

作品名:今、この瞬間を。

私達が望む空間はまるでピーター・パンのネバーランドのような世界です。この作品は大人になりきれない私達の「時間が止まればいいのに…」という子どもっぽい願いを込めています。黒板アートの制作を通して時間を共有してきたこの仲間と、ずっと一緒に居たいという気持ちを表現しました。

【評】

楽しい仲間との高校生活。その一瞬が凝縮されているような作品。その楽しさは生徒たちの表情にあふれています。輝く砂時計は時間を象徴しているのでしょうか。その砂時計は光を放ち、生徒の表情を明るく照らしています。黒板の色を活かし、あえて描き込まない部分を残した画面構成で、友達と過ごしている教室、学校空間の広がりを演出しています。時間と空間をテーマに緻密に計算された完成度の高い作品です。

優秀賞

福島県立会津学鳳高等学校/会津学鳳高校美術部/13人

作品名:駆け出す!

女子高生が荒れ地に突き刺した剣は地面を裂き、その裂け目から馬が勢いよく飛び出し、輝く未来に向かって駆け出しています。馬はどこまでも駆け、花は咲き誇り、森はずっと大きくなります。
この作品のテーマは「復興」です。ここに描いた馬は福島県相馬地方の伝統文化・相馬野馬追をイメージしており、馬は希望と未来の象徴です。花々は葛尾村の復興のシンボル、クリムゾンクローバーです。私たちのふるさと福島の復興が進み、荒れた大地に輝かしい風景が戻り、明るい未来に向かって駆け出していることを表現しています。私たちも歩みを止めず成長し、それぞれの道を歩いていきます。過去に傷を負った土地の記憶があっても、諦めずに勇気を持って切り拓いていくことで希望が生まれることを、この作品をから感じ取って欲しいです。

【評】

一目見ただけでインパクトが強いこともさることながら、構図も奥行き感から細部への描きこみが大変丁寧。また、黒板使いも巧みに複数で構成され、絵の色合いも明るく、テーマに沿った希望と勇気をもって切り開いていく未来への力強い想いが感じられます。

静岡県立富士宮東高等学校/にゅーわーるど/2人

作品名:百変昼行れっつごー!

可愛いもの、変なもの、描きたいものを描き出して、すべてを詰め込みました。どこか百鬼夜行を感じさせるような、そんな不思議なアートを作ることができたと思います。

【評】

様々な個性を持つ生き物が表情豊かに描かれ、観る者を楽しませてくれます。特に、クレヨンを握る子どもの手や、生き物たちの動きの描写によって、絵には躍動感が満ちています。背景に描かれた遊園地は奥行きを演出し、空をハッチングで描きタッチを変化させることで、表現の幅が広がり、生き物たちが際立つようになっています。

京都府立福知山高等学校/京都府立福知山高等学校美術部/10人

作品名:飛躍

何度も練習をして、話し合いを重ね、制作開始当日の朝にやっと構図が決定しました。どうすれば迫力が出るのか、全体の流れを意識し、画面の中での物語を考えながら制作に取り組みました。

【評】

大空を飛ぶ飛行機から身を乗り出して地上の世界を見ているのでしょうか。それともこれから訪れる未来を見ようとしているのでしょうか。背景は快晴。遠くまで透き通った真っ青の空。気球が浮かび、鳥が羽を広げて飛翔する。描かれたモチーフはどれも上昇するイメージを持っています。スッキリとした色面に斜めに配置した飛行機が力強さを感じさせ、これからの高校生の将来に希望を感じさせる作品です。

入賞

栃木県立壬生高等学校/壬生高校美術部/8人

作品名:食うか 食われるか

コロナ禍など様々な理由から制作の勢いが絶たれた今日、2年ぶりに黒板アートを復活させました。今回のテーマは「寿司」。寿司桶から飛び出す寿司の龍と、箸を手に迫る人間の対面構図です。黒板アートの経験者がいない中、それぞれが数多の試行錯誤を重ねて描き上げました。

【評】

遠近感と緩やかな動きの中に、お寿司ひとつひとつが大変丁寧に描かれていてチョークの粉っぽさを感じないほどしっとりと鮮やかに、そして構図全体の左右のバランスも非常に良く描かれています。また、おいしそうな雰囲気で心が温まります。

埼玉県立熊谷女子高等学校/5爺/5人

作品名:大宅太郎光国妖怪菓子宴図

黒板に絵を描くのは全員初めてで、分からないことだらけでしたが、先輩方や先生にアドバイスを貰い、みんなでアイデアや技法を模索しながら協力して制作に取り組みました。
この作品の中のがしゃどくろは、新型コロナウイルスや、先生、テスト、課題など、女子高生にとっての敵のような存在の象徴として描きました。
そんな敵にも屈せず立ち向かう、もはや受け入れてしまうほどの女子高生のたくましさを表現しています。
がしゃどくろの顔など、大きく目立つ部分はもちろん、女子高生たちの顔や、床の壊れているところ、散乱しているお菓子など、細かいところにもこだわって描きました。

【評】

逆境を嘆くことなく、むしろ楽しむ姿勢が描かれ、コロナ禍で青春を過ごしてきた今の高校生世代の精神的な強さを感じさせる現代社会の風刺画として魅力的です。がしゃどくろの背景がパステルカラーに描かれることによって、それが恐怖の象徴ではなく、むしろ女子高校生の日常に溶け込むように表現されているようにも映り非常に興味深い作品です。

エリア賞

エリアをクリックすると各エリア受賞作品にスクロールします。

北海道・東北ブロック
(北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)

福島県立福島西高等学校/ひよこからニワトリ/7人

作品名:未来地図

三年間の学校生活の中で自分の未来に対しての希望や憧れ、不安などの様々な思いを抱えてきた。それらを黒板に「未来地図」として協力し合いながら描く様子を今回の黒板アートとして描いた。なお福島は盆地であり閉鎖的な土地にいる私達だからこそ広い世界に進出したいという思いが強いのではないかと思う。そういった希望もとい野心をこの絵に込めた。高校生だからこそのこの強い感情を今しかできない熱さで試行錯誤し必死にかきあげた。
魚眼特有のパースの効いた構図にこだわり人物や物などを写実的に描くことを心がけた。

【評】

黒板の上から魚眼レンズで俯瞰したような強調されたパースが特徴的です。この歪みの効果は世界の広がりを感じさせます。黒板には宝探しのような地図が描かれ、高校生が手を伸ばし、背伸びをしてチョークで描いています。これから何が描かれていくのでしょうか。右上にはカワセミが二羽とまっています。人物の精緻な描写がこの作品に緊張感を与え、歪みの効果と相まって、魅力的な作品に仕上がっている作品です。

関東ブロック
(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)

東京農業大学第一高等学校/農一の高一/11人

作品名:泡沫(うたかた)

私たちが通っている学校は校舎の建て替えをしています。
2ヶ月後に儚く無くなる美術室の黒板に描きました。
この黒板と同じくらい僕たちの手もカラフルになりました。

【評】

リアリティがある絵でインパクトが強く、ひとつひとつが大変丁寧に描かれています。黒板アートの消えて無くなる儚さを校舎建替えとリンクさせつつ、このようなモチーフで表現されたこともとても新鮮でクオリティと想像力が高いと感じます。

東海・北陸・甲信越ブロック
(新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)

福井県立大野高等学校/大高美術部/6人

作品名:私達からみた「池田暮らしの七か条」

福井県池田町が出した「池田暮らしの七か条」は、全国的なニュースでも取り上げられ、SNS上で賛否両論の声が寄せられた。隣町の高校生である私達は、実際に池田町に足を運ぶことで、私たちの視点でこの問題を捉え直そうと試みた。そこから見えてきたのは、七か条の根底にあるのは「移住者も昔から住んでいる人も一緒に、池田で培った暮らしを守っていきたい」という住民の思いだった。
表面的な情報で物事を判断せず、様々な背景を知って世界を見てほしいという思いを込めて、ニュースやSNSからの情報を浴びて世界を見ている人々と、私たちが見てきた、自分たちの生活の中で使う水源を協力しながら自発的に清掃する池田町民の姿を、対比的に描いた。
都市部の暮らしは、利便性や効率が求められ、暮らしに関わる多くの事柄が通貨と交換するサービスに置き換えられている。一方で、池田町のような地域の暮らしは、暮らしに関わるあらゆる事柄を自分たちの手で担っている。一見不便に見えるが、そこには『暮らし』の実感があるように感じられた。

【評】

身近な地域の社会問題を自分ごととして捉え、描くまでに十分なリサーチを重さね、高校生の視点で描き出している点が高く評価できます。多分、この2枚の絵は教室の前後で向かい合っているのでしょう。そのように考えると教室の空間そのものが黒板アートで作り上げられた3次元の作品として見えてきます。2枚の黒板を対比させることで、その真ん中に身を置く高校生の姿が浮かんできます。

近畿ブロック
(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)

奈良県立高田高等学校/美術部/35人

作品名:水想の十七才

ふとした瞬間に、学校と水族館が重なる。その水槽の中で、踠きながら手を伸ばす。楽しくないわけじゃない。不自由なことばかりでもない。むしろ、恵まれた環境だと感じる。たぶん、こちらを羨む人もいる。
心のどこかで必死に掴もうとしているまだ手付かずの場所。水槽の中の自分は大海を知らない。硝子の外のまだ見ぬ世界を想い、揺蕩う。
3年生引退後、夏のはじめにプレゼンしあって決めた案を、美術部の1、2年生全員で磨きあいました。みんなで水族館へ足を運んだり、ポーズを取りあったり、時には衝突しながら、何度も何度も描いては消してを繰り返しました。
シルエットで描かれた水槽手前の人物たちからすれば、逆に水槽の中への憧れや、まだ(或いはもう)手の届かない世界に感じる瞬間があって、それらの想いが交錯する様子を表現しました。

【評】

インパクトのある構図が目を引き、中央の人物の大きな青い瞳に引き込まれ、感情移入させる魅力があります。また、細部まで繊細に描かれており、水槽内の光と泡を緻密に再現し、背景のディテールの美しさが際立っています。17歳という成長過程における心情を絶妙に表現した非常に興味深い作品です。

四国・中国ブロック
(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県)

広島県立加計高等学校/加計高校美術部/6人

作品名:四季探訪~安芸太田町~

この作品は新入生歓迎のために春休みに制作しました。本校は全国募集のため、帰省する生徒も多く、美術部が揃う日が少なく進めるのに苦労をしました。それでも空き時間や帰寮を早めたりしながらみんなで協力して完成させることができました。学校生活1日の流れと、安芸太田町の四季の流れを合わせて新入生に感じてもらえたのではないかと思います。

【評】

学校の教室を連想させる窓やドアのフレームを巧みに活用し、両端の明るさを抑えながら中央を際立たせる手法が、この作品にドラマチックな表現をもたらしています。地元の四季折々の風景が異なるフレームに捉えられ、観る者を楽しませてくれます。人物のシルエットからは、学校生活を楽しみつつ満喫している様子が伝わり、作品全体に温かみが漂っています。

九州・沖縄ブロック
(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)

福岡県立八幡中央高等学校/やわらかい友/6人

作品名:新進気鋭

制作を進めていく中でメンバーが少しずつ意見を出し合っていきました。全体の華やかさを考え、原案にはなかったシャボン玉やカラフルな床などを追加しようなど、様々な意見がでました。メンバー全員が声を掛け合いながら仕上げていくかたちとなり、きずなが深まったように感じました。

【評】

人物の表情やその向こうへの描写の鋭さ、学生生活のワンシーンを、それぞれの描き手や仲間で創意工夫をして生み出し、完成させたことが作品を見るだけで強く感じられる作品。シャボン玉も非常に美しいバランスと量で描かれています。

審査員特別賞

三澤先生選出 東京都立府中西高等学校/ふにっしー3号/6人

作品名:水中断面

なかなかチームメンバーの都合が合わず、一度に全員が集まることが難しかった中で、作業を分担し完成することができた。

【評】

この色彩と、独特な描き方に目がとまりました。白い船がアクセントとなり、他のモチーフは明度や彩度が抑えられて描かれています。画面全体、隅々まで淡くそして渋い色彩が美しく響き合っています。描かれているモチーフは子供が描くような歪みのある独特な雰囲気を持っています。沈没船もひっそりと海底に横たわっています。この絵はどうやって描いたのでしょうか。長い時間飽きずに見ていられる作品です。

熊沢先生選出 静岡県立富士宮東高等学校/明太子’s/2人

作品名:大送動

校舎の建て替えで愛着のある校舎からプレハブ校舎に引っ越し開始。
嫌すぎてダラダラやってたら、あまりにも遅すぎて、校舎の取り壊しが始まってた!
引っ越すことへの反抗心と、猫と犬は強制的に校舎を破壊する重機を表現しました。

【評】

まず作品のアングルの着眼点とハイライトの入れ方がとても丁寧かつ綺麗に表現されていることにとても感動しました。また、犬と猫の動物を入れ、それが重機の代わりの表現とのことで、ストーリー性に惹かれました。

西村先生選出 羽衣学園中学校・高等学校/羽衣学園高等学校美術部/5人

作品名:表裏一体

初めての黒板アートなので、チョークの扱いに苦戦しました。どうすれば色がきれいにのるか、暗い水中の表現など工夫しながら制作しました。赤身を描くのに、赤身のことを調べているとき、あまりにもきれいでおいしそうな赤身の写真がたくさん出てくるので「まぐろ食べたい!!」とみんなで思わず叫んでしまいました。夏休みという長い期間をかけてじっくりと黒板アートに向き合えたのは良い経験だったと思います。

【評】

マグロとパズルという、描かれたモチーフの意外な組み合わせに目が奪われました。また、丁寧でリアルな描写によって、完成度が高くデザイン性も際立っていました。みな同じ表情のマグロと赤身はシュールで不気味にも見えますが、作品に込められたメッセージが不明瞭な点もミステリアスで、独創的な作品として評価しました。

日学特別賞

常葉大学附属菊川高等学校/油絵専攻ぼうず応援隊/2人

作品名:お疲れ様でした。

常葉大菊川の野球部のみなさんへの感謝の気持ちを伝えます。夏の大会で勇ましく戦う姿に感動し、黒板アートを通じて野球部に感謝とこれからの健闘を祈り伝えるため制作しました。
野球部のみなさん本当にお疲れ様でした!そしてこの大きな感動をありがとうございました!
これからも応援しています♡

【評】

『黒板 in 黒板』の構図の中で躍動する選手たち、声援を送る控え部員たちの姿が、鮮やかで画面の隅々まで精緻なタッチで活き活きと描かれています。テーマ性・メッセージ性がきわめて強く、見る人を一瞬で引き込み、伝える力強さのある作品です。

長崎県立島原高等学校/BAMBOO/15人

作品名:月夜の竹林

白チョークを水に溶いて、日本画用の刷毛と筆を使用し水墨画風に竹林を描きました。水墨画の魅力である「余白の芸術」を意識して、月夜に照らされた山並みの空間を多めにした構図の中に、単調になりすぎないよう伸び方の異なる竹をリズミカルに配置しました。

【評】

カラフルな作品が多い中、白一色で水墨画の様にシンプルな色使い、余白をうまく生かした構図に多くの日学社員が魅了されました。チョークを水に溶いて筆で描く技法は既に多用されていますが、日本画用の刷毛や筆を用いて、ひと筆で潔く描かれた竹の幹(竹稈)や葉の描写が秀逸ですのでご注目ください。

※この作品は、日学株式会社の社員投票により選出されました。
・カラフルなものが多い応募作品の中で、水墨画のようにシンプルな色使いが目を引きました。月明かりに照らされた山々と竹林を、そのシンプルさがくっきりと浮かび上がらせているのではないかと思いました。
・月に眩しさを感じ、静けさの中に力強さもあり水墨画風の絵に魅了されました。
・単色、かつ、濃淡のみで風景を再現していることに感動しました。
・月明かりで山や雲が照らされている様子が、これでもかというくらいに伝わってきました。
・黒板の素材を活かした背景と白チョークのみで描いた作品で目を引きました。月の光に照らされた竹林と山々がとても印象的でした。

佐賀県立鳥栖高等学校/神の有るお宮/3人

作品名:光彩陸離

新入生に向けて描いたこの作品は、鯨のように大きく学校生活を泳ぎ、「光彩陸離」という言葉にもあるように華やかに光を纏うきらきらとした青春を経験してほしいという思いから描きました。空のグラデーション、鯨の透明感が最大の見どころです!

【評】

横長の黒板の特長を生かした広角レンズを通して眺めたような構図、空と海のブルーのグラデーションの奥深さ、透明なクジラの躍動感とまばゆい光の表現が日学社員の注目を集めました。これから楽しいことが待ち受けている新入生に向けた力強いメッセージを、私たちも受け止めて元気を貰った気がします。

※この作品は、日学株式会社の社員投票により選出されました。
・空と海の色のグラデーションの奥深さに、チョークでここまでできるのかと驚きました。光彩陸離のタイトルに相応しい、キラキラとした光の表現だと感じました。
・透明なクジラの躍動感と光が差し込むバランスが良かったと思います。見ているだけで気持ちが上向きになりました。
・海と太陽、空の作品かな、と思いきや、よく見ると雲の中にクジラが隠れていて、非常に面白いと思いました。
・広角レンズを通して見たかのようなアートで、鯨の大きさがより伝わってきます。また、アート中心近くから光が放射状にのびていることで奥行きが感じやすいです。横長であることが特徴の黒板を上手く活かせている構図だと思いました。
・海や空、鯨、水平線から上りゆくまばゆい光など黒板を目一杯に使って表現して、とてもスケールの大きな作品。作品のすばらしさはもちろん、自分達のこれからではなく、これから入学する新入生に捧げる献身的なコメントに心打たれました。

アイデア賞

埼玉県立大宮光陵高等学校/(1:1:1)2=1:1:1/5人

作品名:闇夜に輝く

私たちは『削り』という新しい技法に挑戦しました! はじめに、様々な色のチョークを水で溶かして、それらを、寝かせた黒板に何層にもわたって振りかけ、チョークの色層を重ねていきました。それを尖らせた割り箸などで削っていくと、複雑な色が浮かび上がります。初めての挑戦で、失敗も多くありましたが、奥行きのある作品に仕上がりました。

【評】

作品コメントから【削り】という新しい技法に挑戦されたとのことで、チョークの色層を重ねる挑戦やアイデアを生み出したことに、まず感銘を受けました。作品はパッと見るとボカシが効いているように見えますが、さまざまなツールで削りだしたとのことで、このような奥行き感のある作品デザインにたどり着いたことも大変興味深いです。

ユーモア賞

兵庫県立洲本実業高等学校/洲本実業高等学校美術部/2人

作品名:先生たちのハッピーフライデー

黒板アートに初めて挑戦しましたが、想像以上にチョークの扱いが難しかったです。 私たちの学校の食堂では日替わり定食があり、金曜日はからあげ定食の日です。この作品は、毎週金曜日に食堂でからあげ定食を誰よりも美味しそうに食べている先生方を描いたものです。二人が横並びで、少年のような表情でからあげを食べている姿を見ていると仲の良さに温かい気持ちになり、この二人をモデルにしました。

【評】

思わず笑ってしまうようなユーモア溢れたスナップショットのような黒板アートです。モチーフとなった二人の先生の、生徒からの愛されぶりが十分に想像出来ます。若い先生が唐揚げにかぶりつく生き生きとした表情は、シンプルな背景と服のソフトなタッチによって一層引き立って見えます。見ている私たちも唐揚げが食べたくなる作品です。

日本白墨工業賞

千葉県立君津高等学校/君津高校美術部/11人

作品名:その一瞬、金魚は見た。

夏祭りでは定番の屋台である金魚すくいで、景品の金魚がポイから落ちた瞬間に、ポイ越しに見えた人間の祭や花火。それを見た瞬間、金魚はどう思うのか。また、何を感じたのか。その一瞬を黒板に描きました。思い通りの色を出すために、塗り方の工夫だけでなく、チョークを擦り下ろして粉末にし、複数色混ぜ合わせてチョークを自作しました。

【評】

この作品は制作者がイメージしていた色をうまく表現できていると思います。
特に主役の金魚も派手な配色になり過ぎずにその存在感を出しています。チョークの調色や配色に苦労が窺われます。
破れたポイを境に金魚側の水中の様子と外の人間の世界を一つの作品の中でうまく表現できています。主役の金魚の驚きや興奮、好奇心、憧れ、恐れなど想像は膨らみます。金魚が外の世界を見て何を思うかを制作者、鑑賞者双方それぞれがいろいろと想像できる面白い作品です。

参加校一覧(都道府県順)

北海道芸術高等学校 札幌サテライトキャンパス/札幌市立開成中等教育学校/北海道札幌南高等学校/北海道帯広南商業高等学校/秋田県立秋田北鷹高等学校/福島県立会津学鳳高等学校/福島県立福島西高等学校/福島県立会津西陵高等学校

江戸川学園取手高等学校/文星芸術大学附属高等学校/栃木県立壬生高等学校/栃木県立小山城南高等学校/伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校/群馬県立吉井高等学校/埼玉県立大宮光陵高等学校/埼玉県立新座総合技術高等学校/埼玉県立熊谷女子高等学校/埼玉県立和光国際高等学校/埼玉県立久喜北陽高等学校/本庄東高等学校/桜林高等学校/志学館高等部/千葉県立君津高等学校/千葉県立大原高等学校/千葉県立茂原高等学校/東京都立府中西高等学校/潤徳女子高等学校/新渡戸文化高等学校/白百合学園中学高等学校/立正大学付属立正高等学校/東京都立板橋高等学校/東京都立豊島高等学校/東京農業大学第一高等学校/日本大学高等学校/神奈川県立鶴見高等学校

富山県立高岡工芸高等学校/富山県立小杉高等学校/福井県立大野高等学校/福井県立敦賀高等学校/エクセラン高等学校/長野県大町岳陽高等学校/長野県中野西高等学校/長野西高等学校/麗澤瑞浪中学高等学校/静岡県立富士宮東高等学校/常葉大学附属菊川高等学校/沼津中央高等学校/静岡北高等学校/静岡県立浜松湖南高等学校/浜松開誠館高等学校/静岡県立浜松大平台高等学校/静岡雙葉高等学校/名古屋経済大学市邨高等学校

滋賀短期大学附属高等学校/光泉カトリック高校/京都芸術高等学校/京都府立南陽高校/京都府立福知山高等学校/羽衣学園中学校・高等学校/好文学園女子高等学校/大阪電気通信大学高等学校/奈良県立高田高等学校/姫路市立琴丘高等学校/兵庫県立洲本実業高等学校/兵庫県立柏原高等学校/西宮市立西宮高等学校

明誠学院高等学校/広島県立加計高等学校/銀河学院高等学校/近畿大学附属広島高等学校福山校/松江市立皆美が丘女子高等学校/島根県立大東高等学校/下関短期大学付属高等学校

福岡県立八幡中央高等学校/九州産業大学附属九州産業高等学校/福岡県立直方高等学校/佐賀県立鳥栖高等学校/長崎県立島原高等学校/熊本県立高森高等学校/熊本県立人吉高等学校/宮崎県立佐土原高等学校/鹿児島県立山川高等学校/昭和薬科大学附属高等学校/沖縄県立美来工科高等学校