日学・黒板アート甲子園®︎2024大会
黒板の部(ジュニア)結果発表

ジュニアの部 受賞作品

※学校名、グループ名、人数、作品画像、作品名、制作エピソード、講評の順で記載
※画像をクリック/タップすると作品を全画面表示できます

最優秀賞

野田市立岩名中学校/寒天generations/9人

作品名:望夢迷光

「望夢迷光」とは、望む夢(光)へと、迷いながらも進んでいくという意味の言葉です。大人になるにつれての不安と、選択肢の多さに惑わされながらも自分らしく進んでいこうという気持ち、他者からの視線や、迷った先の未来は無限大という私達の進路の思いを込めました。制作では、計画段階でも制作に入ってからも、一度もメンバー全員が揃ったことがなく、当初の計画通りには進められませんでしたが、2年生の主要メンバー3人が毎日、部活時間を延長して制作をしました。一番苦労したのが膨大な量の立方体です。遠近法も考慮しながら線を一本一本引きましたが、なかなか正確な形が描けず、メンバーが描いた線を他のメンバーが直すということを何度も繰り返し行い、皆んなで埋め尽くすことができました。そのおかげもあり、他のメンバーとの交流も深まりました。描き方は水で溶いたチョークを筆で描いたり、マスキングテープを使ったり、スポンジや消しゴムをハンコのように押したりもしました。看板の細かい文字などもこだわったので、ぜひ見てください。

【評】

作品を一目見た時のインパクトもさることながら、多色使いとチョークの形状を変化させることで表現できる可能性と、立体が多いのにうるさく感じないまとまり感には圧倒されました。また、看板など細部まで描かれた作品へのこだわりが見る人に驚きと感動を与えてくれる作品です。鮮やかな色彩と作品への想い、構図を見入ってしまう魅力は最優秀賞にふさわしく、感銘を受けました。

優秀賞

松田町立松田中学校/松田中学校美術部/17人

作品名:シン・マツダ~3千年後の君へ~

私たちが暮らしている町は、自然や動物がいっぱい。タヌキ、キツネ、イノシシ、サル、クマ、シカ。野生動物と出会うこともしょっちゅう。まるで異世界みたい!って思ったら、本当に異世界に転移しちゃった!?私たちの町に似てるけど、何か違う…。異世界転移しちゃったけど、美術部は相変わらず、いつもどおり。黒板アートは、いつだって私たちにとって異世界でした。世界も、私たちも、可能性は無限大。シン・マツダ。いま、ここが私たちの始発駅。

【評】

細部までこだわった描写が素晴らしい作品です。構図もよく練られており、チョークの特長を生かした様々な描画テクニックも駆使し、遠近の表現の効果を生かした空間を作り上げています。見れば見るほど画面に吸い込まれていきます。3千年後の君へというタイトルで、風に舞う花びらや動物たちと言葉を交わしている姿に未来への希望が感じられます。黒板アートの中の描かれた黒板もいいですね。

春日井市立岩成台中学校/岩成台中学校美術部/15人

作品名:口に広がるその味は〜毎日の給食に感謝を込めて〜

私たちの学校生活を支える給食。パン、エビフライ、スープ、フルーツ。さまざまな味のおいしさに教室は笑顔であふれる。部員たちはそれぞれ好きな給食を食べる自分を描いた。真ん中にあるのは、ここ春日井市の特産であるサボテン。給食にもサボテン料理が出てくる。私たちは給食を食べることによって地域の文化を学んでいる。郷土料理、食事の大切さ…たくさんのことを教えてくれる給食に感謝。

【評】

学生らしいアイデアと構図でありながら、さまざまな様子を丁寧に描きこんでおり、作品を見る人を笑顔にしてくれる楽しさと親近感がわきました。食の大切さも伝わる作品です。

神戸市立丸山中学校/丸山中学校美術部/10人

作品名:練習後の昼飯

柔道部の2人に稽古の後、モデルになってもらいました。灼熱の中、ヘトヘトになった2人は、すごい勢いで食べ始めました。ラーメンをすすり、ギョウザに食べつく様子が表現できるように、形や明暗を丁寧に観察しました。チョークも何層にも重ねて厚みのある表現に取り組みました。

【評】

部活動後にお腹を空かせた高校生たちの日常のひと時を、リアルに描き出しており、白チョークのみで描かれた点も、大胆で印象的です。

入賞

熊谷市立熊谷東中学校/熊谷東中総合文化部美術コース/8人

作品名:We love hue !

今年はメンバーが少なく、1点しか応募出来そうにないことになって、テーマ決めやアイデアスケッチに取りかかるのも遅くなってしまったけど、なんとか夏休みの活動日中にしあげることができました。授業で学んだ一点透視図法と曼荼羅図と色相のグラデーションを組み合わせてデザインしました。パースの修正や立方体の修正が大変でしたが引き込まれるような奥行きや色彩の変化がなんとか出せたと思います。もっと立方体に複雑な模様や工夫をしたかったけど時間切れでした。黒板の粉受け?に落ちて貯まったチョークの粉がグラデーションになり、きれいで掃除するのがもったいなかったです(作品よりきれいだったかも〜)。

【評】

色彩と構図の独自性が光り、美しさを追求したデザインが鑑賞者を魅了します。技術に偏ることなく、デザインとしての完成度の高さが評価される作品です。

板橋区立志村第四中学校/ラブアップルトマトゥル/6人

作品名:ソレイユ・オヴァ

チョークの蛍光色を粉にして黒板につけたりしていて髪の毛が粉まみれになって髪が蛍光色になってしまったことです

【評】

なんとも味のある絵です。じっくり見ていると温かな感じになります。夕日を見ているのは犬か猫か、見る人がどちらでも好きな動物に見立てられますね。空と海は水で溶かしたチョークで色鮮やかに厚く塗られ、手前の砂浜、動物、花はチョ−クで淡く塗られています。その質感の対比も効果的です。絵の力強さと優しさはこのチョ−クの使い方から来るのでしょうか。一枚の絵画として飾っておきたい作品です。

審査員特別賞

三澤先生選出 滋賀大学教育学部附属中学校/うえくに/2人

作品名:青い思い出

製作途中では、空と琵琶湖が同じ青色なので、その境界線があいまいになってしまい、全体的にぼんやりとした絵になり、どうすればよいか悩みました。境界線の部分に橋や街並みを入れることで、空と琵琶湖の境界線をはっきりさせ、絵全体をすっきりさせ、空と琵琶湖の青をきれいに分けることができました。

【評】

琵琶湖の風景を素直に描いた作品で、黒板の横長の画面を生かして、空と湖の広がりを描いています。まるで教室の窓から琵琶湖の風景を見ているような錯覚に陥ります。この作品の魅力はなんといっても空と湖の描き方でしょう。雲や水の質感が上手に描き分けられています。そこが最も難しかったと制作時のエピソードに書かれていますが、その甲斐があってとても優れた作品になっています。

熊沢先生選出 野田市立岩名中学校/焼き魚/9人

作品名:夏の思い出

下絵の段階では鳥居とガラスの鳥と花火だけでしたが、制作しているうちに金魚や水など、描きたいものがどんどん増えていきました。花火の煙は、どうやったら煙らしくなるか考えました。霧吹きで黒板を濡らし、粉状のチョークを投げつける方法で表現しました。水で溶いたチョークを塗りつけたり、塗ったものをまた削ったりしながら描いていきました。最初は仲のいい人しか話さなかったのですが、制作が進んでいくうちに皆んなと話せるようになりました。

【評】

「どのように描いて出来たタッチなのだろうか」と構図もしかり、技法にも感心が強い作品です。制作コメントから工夫された様子をうかがい知ることができ、モチーフを描くにあたり、表現への試行錯誤とこだわりが感じられ、素敵な作品です。

西村先生選出 上川町立上川中学校/自由すぎるひとたち/5人

作品名:私が学校に遅れる理由

私たちは「私が学校に遅れる理由」をテーマに、リアルとポップを混ぜて表現しました。手をリアルにすることで、周りの生き物の異質感がより際立つようにしました。みんなで苦手を補い合い、よりよい作品にすることができました。

【評】

「私が学校に遅れる理由」というテーマを、リアルとポップな表現を組み合わせて描いたユニークな作品です。現実逃避をコミカルに描いており、多くの共感を呼ぶ作品となっています。

日学特別賞

ひたちなか市立勝田第一中学校/勝田一中チームB/6人

作品名:壊れた海

この作品は近年問題となっている海洋汚染、地球温暖化をモチーフにしました。鯨の体の半分は、鯨が食べてしまったゴミをペットボトルで表現し、ゴミに飲み込まれてしまいそうなのを表現しました。もう半分は、海の水温が上がってしまって、とけてしまいそうな感じに表現しました。鯨や海のグラデーションや、水で溶かしたチョークを使って質感などを工夫して表現しました。

【評】

環境問題をテーマにした作品ですが、鯨の体を覆うペットボトルや、流れ落ちる汗、海水の温度感など、対象物ひとつひとつがしっかり意味付けされていますので、ぜひ制作エピソードを読んでみてください。洋上の日の光を中心に、同心円状に広がる海水のグラデーションも美しく描かれており、社会性・テーマ性・表現力、いずれも大変優れた作品です。

武蔵野市立第三中学校/武蔵野3美術部/6人

作品名:描いた学校〜ヴィーナスより愛を込めて

この作品では石膏像のヴィーナス、外から見た学校、美術部の部室にある蛇口をそれぞれ描きました。手前にある絵の具をデフォルメし、奥の建物をリアルに描くことでギャップを演出しています。特に光と影の描き方を真逆にした石膏像を作るのに苦戦しました。何度も本物と見比べつつ遠くから見て、直していくという繰り返しでした。また石膏像はほとんど3年生の生徒1人で描いたのでとても大変でした。また、それ以上に他の1年生、2年生の生徒が描いた左右描写も見ごたえのある絵です。校舎の窓や、蛇口の下の棚、校庭の土や部室の床の色それぞれの絵で迫力を出すために遠近など、難しいことに挑戦した良い絵になったと思います。試行錯誤しながら話し合い、ときに楽しく会話をして作り上げた私達の作品をぜひご鑑賞ください。

【評】

日学社員による投票で選出されました。最も苦戦して描いたというヴィーナスの石膏像の立体感、リアルさが目を引きます。同時に、細部まで丁寧に描きこまれた左右の校舎や部室の風景と、漫画チックな絵の具の描写のギャップも意味深で、あれこれ考え感じながら楽しめる作品です。

※この作品は、日学株式会社の社員投票により選出されました。
・主役のヴィーナスに負けないよう左右の校舎や部室が丁寧に描かれている印象です。カラフルな絵の具とのギャップもいい作品につながっていると思いました。
・ヴィーナスが立体に描かれていて印象的ですが、周りの絵の具がアニメタッチに描かれており、相反する感じの発想が面白いと思いました。
・このヴィーナスのインパクトがすごく、色彩もとても綺麗に感じました。立体的な構図も良かったと思います。
・ヴィーナスにインパクトがあり、全体も丁寧に仕上げられ、印象に残る作品です。
・石膏像の石膏らしい陰影が、周りとの対比で際立っていて面白い作品です。

日本白墨工業賞

野田市立岩名中学校/ナインドラゴン/9人

作品名:未来への希望

炎にも負けないドラゴンの力強さを未来への希望に例えました。空想上の動物ドラゴンの下描きが難しく、資料を探すのも苦労しました。最終的にはコモドドラゴンの鱗や蝙蝠の羽などの写真を参考にしながら進めました。目のリアルさ、迫力を出すために、細かいところまで丁寧に描きました。炎のリアルさも追求しました。炎には赤だけではなく、白や黄色なども入っていることに気づきました。最後の仕上げには水で溶いた絵の具を皆で散らし、舞い散る火の粉を表現しました。1年生(支援学級2人含む)から3年生まで仲良く協力して完成させることができました。

【評】

非常に意志の強さが感じられる作品です。中央のドラゴンと炎の表現が力強さをより強調しています。特に炎の表現が印象的で、色の濃淡、組み合わせで、作品を躍動的にしています。また、火の粉の表現が作品全体を引き立たせているようです。炎と対照的に、暗く描かれたドラゴンの視線が強く観る者を引き込み、この作品名の「未来への希望」を良く表現しています。

参加校一覧(都道府県順)

札幌市立山鼻中学校/札幌市立屯田中央中学校/札幌市立篠路西中学校/札幌市立西岡中学校/夕張市立夕張中学校/留萌市立港南中学校/北斗市立浜分中学校/上川町立上川中学校/幕別町立札内中学校/斜里町立知床ウトロ学校/青森市立南中学校/深浦町立深浦中学校/東通村立東通中学校/大船渡市立第一中学校/北上市立飯豊中学校/宮城教育大学附属中学校/名取市立第一中学校/多賀城市立第二中学校/山形市立金井中学校/村山市立楯岡中学校/最上町立最上中学校/いわき市立中央台南中学校/大玉村立大玉中学校

茨城県立並木中等教育学校/結城市立結城中学校/ひたちなか市立勝田第一中学校/守谷市立愛宕中学校/守谷市立けやき台中学校/栃木市立栃木西中学校/小山市立小山第二中学校/小山市立桑中学校/前橋市立桂萱中学校/熊谷市立富士見中学校/熊谷市立熊谷東中学校/熊谷市立奈良中学校/加須市立加須東中学校/蓮田市立蓮田南中学校/神川町立神川中学校/千葉市立椿森中学校/市川市立高谷中学校/野田市立岩名中学校/匝瑳市立八日市場第二中学校/習志野市立第七中学校/市原市立ちはら台西中学校/板橋区立志村第四中学校/練馬区立貫井中学校/江戸川区立南葛西中学校/武蔵野市立第三中学校/東京都立武蔵高等学校附属中学校/立正大学付属立正中学校/江東区立有明西学園/川崎市立西高津中学校/川崎市立金程中学校/小田原市立城南中学校/厚木市立睦合東中学校/松田町立松田中学校

柏崎市立鏡が沖中学校/信州大学教育学部附属松本中学校/佐久市立野沢中学校/浜松市立北星中学校/浜松市立都田中学校/名古屋市立神の倉中学校/名古屋市立猪子石中学校/名古屋市立植田中学校/豊橋市立青陵中学校/春日井市立岩成台中学校/桑名市立陵成中学校

滋賀大学教育学部附属中学校/八尾市立曙川中学校/河内長野市立長野中学校/関西大学第一中学校/神戸市立丸山中学校/西宮市立平木中学校/三田市立ゆりのき台中学校/姫路市立夢前中学校/東大寺学園中学校

鳥取市立東中学校/倉敷市立連島中学校/玉野市立宇野中学校/岡山県立岡山操山中学校/岡山学芸館清秀中学校/東広島市立松賀中学校/福山市立神辺中学校/広島県立広島中学校/府中市立府中学園/丸亀市立飯山中学校/松山市立北中学校

北九州市立広徳中学校/大牟田市立甘木中学校/久留米大学附設中学校/宮崎市立大塚中学校/嘉手納町立嘉手納中学校