日学・黒板アート甲子園®︎2025大会
黒板の部(ジュニア)結果発表
最優秀賞・優秀賞・入賞ノミネート作品
11月24日(月・祝)開催の表彰式にて、「最優秀賞」「優秀賞」「入賞」が決定します!
※以下、ノミネート作品は応募順に掲載しております。
川崎市立生田中学校/生田中学校美術部/3人
作品名:さあ、進んでいこう
絵の具から生み出された私たち3人は、これから冒険へと出かけます。その森にはカブトムシやトンボ、猫に鴨など巨大生物たちが…。でも私たちは恐れません。3年間ともに過ごした日々と絆があるから。この先に立ちはだかる困難にも、大好きな絵の道具を武器に果敢に挑んでいきます。
仲良し3人で中学校生活最後の夏、今の思いを絵で表現したいと、黒板アートに初挑戦しました。これから迎える卒業や人生を「冒険」と捉え、今回の作品のテーマとしました。私たちが暮らす生田地域は緑地もあり、自然が豊かなので冒険の舞台を森としました。鴨やカブトムシなどは実際に生田で出会った生物です。これからの人生のワクワクの象徴として描きました。また、中学校生活ではお互いに支え合いながら過ごすだけでなく、美術部では部長・副部長を務め、作品制作を通して切磋琢磨してきました。それぞれ進路先は違っても、3年間の思い出や大好きな美術を胸に人生を切り開いていきたいという思いで、自らの武器として筆やパレットを描くとともに、3人が前向きに歩んでいく姿を特に大切に描きました。
川崎市立金程中学校/しばいんぬのほっぺ/8人
作品名:再びいろを取り戻すとき
今回私達が描いた作品は『悩み』がテーマです。悲しい、嬉しい、怖い、怒り、楽しい、ドキドキ。私達中学生は小学生の時より毎日周りの目を気にして過ごしたり、恋をしたり、心が繊細になって少し言葉で刺激されると深く悩んだり⋯。でも、深く深く自分で自分を追い詰めるようなことがあっても、いつか誰かが手を差し伸べ、この先訪れる新しい出会いで人生は変わり、明るくなるから大丈夫。という悩んでる人へのメッセージです。私達がこの作品を制作する際に特に難しかったところは、中央で仰向けになっている少女です。仰向けの少女を顔付近から映す構図は特に難しく、下半身をどう描けばいいかわからず、何度も失敗しながら、クーラーのない灼熱の教室で仲間と協力して試行錯誤して描きました。
野田市立岩名中学校/シュミテール/8人
作品名:宇宙(そら)へ
くじらは私達、中学生を象徴しています。私達には星の数ほどの可能性があって、それに向かって飛び立っている。そんな気持ちを込めました。
制作では、くじらと宇宙の色が同化したりして、色を作るのに苦労しました。ベタ塗りにならないよう、影を入れて自然に見えるよう工夫しました。天の川は黒板の地の色を活用し、星々は霧吹きで黒板を濡らし、粉のチョークを投げつけて表しました。手も服も真っ白になって楽しかったです。
くじらを描く時にどうしても上手くいかなくて、悩んで先生に何度も相談した時に泣いてしまいました。先生も上手く描けなかった時があったことを話してくれて、頑張ろうという気持ちになれました。最後には結構すごいくじらが出来上がって嬉しかったです。
江戸川区立南葛西中学校/チーム中山/6人
作品名:DREAM
この作品は「みんなの夢」を題材にした作品です。ミラーボールは各自の夢を集合させたものとして表されており、形がバラバラで様々な色を放っているのはみんなの夢が彩り豊かなものという意味で描きました。
松田町立松田中学校/松田中学校美術部/20人
作品名:心の音(こえ)は鳴り止まないっ
勉強に集中したいのに、心はざわめきに満ちている。
やらなければならないこと。本当にやりたいこと。
分裂したワタシが、いまにも弾けそうになる。
期待と不安が混ざり合ってできたグラデーションは見たことあるようで、見たことのない色をしている。
心の奥で鳴り響く音はヘッドフォンに流れる音楽のようにきっと誰にも聴こえない。
勉強も、私たちの黒板アートも、同じかもしれない。
あの日の決意を貫くのは、カンタンじゃない。
それでも歩みを止めないのは、黒板に託された先輩たちの想いを知っているから。
指先が傷だらけになっても、エアコンがない教室でも、黒板が古くても、描き続けてきた。
描けば伝わると、私たちは信じている。
この作品を、戦い続ける全国の中高生に捧げます。
守口市立大久保中学校/OOBI7/6人
作品名:青春爆破 ~今を生きる~
この絵は私たちの「青春」を描きました。過去のぬけられなかった自分の思い出たちというガラスを突き破って、新しい自分を探すために手を伸ばして、一歩ふみ出す、そんな場面を表現しています。飛び散った破片には部員1人1人の思い思いの青春を描いています。夢中になって練習したアコースティックギターや、子供の頃に家族で行った遊園地のワクワク感、大好きな推し活で満たされた気持ち、体育大会のドキドキ感、燃えるような情熱などを表しています。殻を破って新しい自分になりたいという気持ちを爆発させている。等身大の15才たちの心を是非見て感じとってください。
ジュニアの部 受賞作品
※学校名、グループ名、人数、作品画像、作品名、制作エピソード、講評の順で記載
※画像をクリック/タップすると作品を全画面表示できます
エリア賞
エリアをクリックすると各エリア受賞作品にスクロールします。
北海道・東北ブロック
(北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)
上川町立上川中学校/蝦夷っ子/10人
作品名:飛び出し注意
3D映像が流れるクロス新宿ビジョン風に描いてみようということで、北海道でよく飛び出してくる動物たちを描きました。途中で本物の熊が学校裏に出て部活動停止になり、制作が一時中断されてしまいましたが、なんとか描きあげることができてよかったです。
関東ブロック
(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)
厚木市立荻野中学校/荻野中学校美術部/18人
作品名:宝石と海 ~輝く朝のひととき~
黒板には明るいモチーフが映えるのでは、ということで「宝石と海」というテーマを選びました。ただ、宝石を海に散りばめるのではなく、太陽や樹の枝、魚など本来自然のものをあえて宝石のような質感で描きその輝きを表現しました。また、宝石のような人工物とイルカや鳥など生き物や海などの自然とを対比させることで幻想的な空間を目指しました。 宝石のキラキラ輝く質感を表現することと、雲、海、砂、宝石、生き物などそれぞれの質感を描き分けるのが難しかったです。 2つのチームに分かれて交代で制作したので、自分達が途中だった、うまくいかなかったところが、もう一つのチームの力で出来上がったり、日々作品が変化していく様子が面白かったです。 完成した作品を学校で展示した時には、たくさんの人に見に来てくれて嬉しかったです。
【評】
黒板を絵で埋め尽くすインパクトもさることながら、多くのモチーフが描かれているのに煩さをまったく感じさせず、バランスと調和が取れている構図デザインに大変感銘を受けました。世界観に対する想いも良いと思います。
東海・北陸・甲信越ブロック
(新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)
静岡市立清水第二中学校/チームA/4人
作品名:威風堂堂
私たちは、この作品に、最初は小さくて弱い鳥でも、努力をすれば眼の前の壁を突き破ることができる!!というメッセージを込めました。躍動感を出すために、毛並みとガラスの破片の配置にこだわりました。ぜひ注目してください。
【評】
小さなスズメに大きなメッセージを託した点がいいですね。背景の青が、赤茶色のスズメを引き立てています。全体にチョークを立てて線の重なりで描いている点が、スズメの羽根の質感を効果的に表すことに成功し、同時に線の勢いがそのままスズメの躍動感に結びついています。黒板の隅のガラスの破片部分を描き込まなかったことも視線を中高に集めることにつながっています。
近畿ブロック
(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)
神戸市立本山南中学校/本山南中学校美術部2年/5人
作品名:蛙と一緒に大縄跳び
鳥獣戯画の中で縄跳びをするイメージで描きました。大勢の人物を表現するのが難しく、時間がかかりました。
【評】
鳥獣戯画をユーモアに取り入れた作品で、黒板アートの可能性を広げてくれています。大縄跳びをする集団の一体感と活気が表現されています。線の強弱や流れをさらに意識することで、動きや表情の豊かさがより際立ち、いっそう躍動感のある独創的な作品になると思います。
四国・中国ブロック
(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県)
徳島市南部中学校/南部中学校 美術部3年/13人
作品名:流れゆくレトロ日本
美術部3年生として、共同制作に取り組んで、みんなで1つのことにチャレンジしてみたいと考えました。日本の昭和をイメージしつつ、日本文化を融合させるアイデアをまとめることが難しかったです。それぞれに意見やイメージの違いがありましたが、なんとか作品にすることで達成感もありました。
【評】
昭和レトロを感じるテイストと淡い色使いと、和を感じるモチーフの配置等、融合させる工夫を感じる作品です。黒板全面で表現し、レイアウトもバランスが良いです。
九州・沖縄ブロック
(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)
石垣市立大浜中学校/石垣市立大浜中学校創芸部/5人
作品名:八重山亜熱帯楽園
手は創芸部員が描いていることを表して、私たちに馴染みのある島の草花を描き、個性豊かなメンバーを表現しています。花や葉っぱの形と色を思い通りにできず苦戦したところもありましたが、仲間と補い合いながら完成させることができました。背景は水に溶かしたチョークを使って、グラデーションを意識しながら塗ることができました。
【評】
まず4枚に描かれた植物の背景の色面が飛び込んできました。そのあと南国の植物に目が行きます。そしてよく見るとそれらの植物を描いている手がありました。ただ単に植物を描いた作品ではありませんでした。全体的に沈んだ色彩が亜熱帯の湿度や気候を感じさせます。日差しが強く、植物の色が濃い分、色の重厚さが亜熱帯八重山の特徴でもあるのでしょう。この重さを感じさせる色使いと描き方がとても素敵な素晴らしい作品です。
審査員特別賞
三澤先生選出 野田市立岩名中学校/炭酸カルシウムズ/8人
作品名:和を紡ぐ
なかなかメンバー全員が揃うことがなく、進まない時期もあり苦労しましたが、引き継ぎメモを残すなど、工夫して力を合わせて描き上げた「私達の全部が詰まった1枚」です。苦労も工夫も絆も想いもこの黒板に込めました。「和に生まれ、和を描く」。太鼓の音が響く祭の夜。揺れる提灯の灯りに照らされて笑顔が溢れる。私達はこの日本に生まれ、「和」の文化の中で育ってきました。祭りはそんな私達のルーツを確かめ、伝統や人との繋がりを感じられる大切な時間。中央にそびえる城は、かつて和の象徴として繁栄を支えていた存在です。この作品には、和を受け継いできた先人への感謝と、この国に生まれた誇りと、これからも和の心を大切にしていきたいという気持ちを込めた、私たち自身への、そして日本という国への祝福のアートです。
【評】
日本らしさを感じさせるステレオタイプの建物や装飾、祭りなどを画面に配置し構成していますが、構成の仕方が、単なる概念的な日本を紹介するだけでない作品にしています。海に浮かぶ城や鳥居、精霊。空には提灯や花火、しめ縄やオリヅルも飛んでいる。不思議な奥行き感や、夜という時間設定が、日本の情緒をうまく引き出し表しています。描かれたモチーフの組み合わせと配置が絶妙ですね。
熊沢先生選出 府中市立府中学園/府中学園美術部/5人
作品名:last memory
中学生最後の体育祭で一生懸命戦っている仲間の姿がとても印象に残りました。そこでその時の迫力を絵で表現しました。
【評】
主人公たちもしっかり描かれており、さらに背景描写とのバランスも良く、上下の黒板がまるで躍動感を生むようなデザインであることも魅力に感じました。思い出を描き、仲間との絆を感じる作品です。
西村先生選出 名古屋市立植田中学校/名古屋市立植田中学校 美術部/25人
作品名:お昼ご飯~私たちにとっての大切な時間~
私たちが小学生の頃は、コロナ禍だったのでお昼ご飯の時に、友達と向かい合って食べることができませんでした。だからこそ中学生になった今、友達と顔を合わせておしゃべりをしながらお弁当を食べることができて本当に幸せです。そんな私たちにとって、特別な「お昼ご飯」の時間をテーマに制作しました。集中して授業を受けて疲れた後に、お弁当のふたを開けてほっとした安心感や、どの具材を先に食べようか迷っているときのわくわく感も表現しました。美術部のみんなでお腹を空かせながら描き込んだ具材は、質感にこだわり美味しそうに見えるように工夫したので、ぜひ注目してほしいです。
【評】
コロナ禍で制限されていた日常を乗り越え、友達と向かい合って食べる時間の大切さが伝わり、心が温まる作品です。ふたを開けたときの安心感や、どれから食べようか迷う楽しさなど、日常の小さな幸せが丁寧に表現されています。具材の質感や色合いへの細やかな工夫から、美術部のみんなが楽しみながら心を込めて制作した様子が伝わってきます。
日学特別賞
川崎市立金程中学校/箱入り娘/3人
作品名:ぷくぷくぱっちん おしゃべりタイム
黒板アートの原案を考えなくてはならないのに、つい雑談をしてしまう私達。まるでシャボン玉のように、ぷくぷくと話題が浮かんできます。「そろそろ原案考えなきゃ!」と気づいたときは、シャボン玉が弾けたような感覚になります。その様子を、背景とともに温かみのある雰囲気に仕上げました。
【評】
黒板アートに取り組む瞬間そのものを切り取った作品で、楽しげに語り合う女子生徒の姿が、生き生きと描かれています。彼女たちの会話や笑い声がシャボン玉となって弾け、画面に広がっていくかのようです。はかなくも美しいシャボン玉の透明感と、人物を描く力強い線が響き合い、観る者の心に温もりを伝える作品です。
流山市立八木中学校/美術家庭科部/23人
作品名:らぁめん三十六丁
富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」と、ラーメン。日本らしいこの二つの作品を合わせることで、葛飾北斎独特の遠近感や黄金比を生かした、立体的で躍動感のあるラーメンを描きました。麺、波、チャーハン、箸の質感が見どころです!作品を制作しようとしたきっかけは、アイデアを探している時に、Googleのロゴがラーメンになっていたことです。いくつか案を出していましたが、なかなかOKをもらえず行き詰まっていると、このラーメンが出てきて、「これだ!」となりました。何度も描き直しがあったり、集中力が続かなかったり、個人制作・共同制作との両立など、大変なこともたくさんありましたが、このメンバーで最後までやり遂げられて良かったです!
【評】
浮世絵とラーメンを融合させるという、中学生らしい自由でユーモアあふれる発想が光る作品です。盛り上げたチャーハンを富士山に見立て、卵やナルトを巧みに配するなど、遊び心に満ちた工夫が随所に凝らされています。思わず「ラーメン食べたい!」と観る者を楽しませると同時に、制作の達成感までも想像させる、ユーモアと創意に富んだ作品です。
※この作品は、日学株式会社の社員投票により選出されました。
・「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」という日本人なら誰しもが見慣れた作品をベースにラーメンと融合させたことで、既視感を持たせつつ新たな作品に仕上げていると思います。
・よく見る葛飾北斎の絵ですが、斬新なアイデアで面白く描かれています。荒れるラーメンスープと中心のチャーハン山に思わずクスっとしました。
・発想が豊かで独特の表現力があると感じました。
・ラーメンが食べたくなりました!
・ユーモアたっぷりで中学生らしく、かつ富嶽三十六景だとすぐに分かる絵で、良いバランスで書かれているなと思います。
春日井市立岩成台中学校/岩成台中学校美術部1年生/14人
作品名:共に生きる
世界で紛争が起こり、人間だけでなく動物にも被害が出ています。環境による被害も動物たちは受けています。そんな世の中でも、動物を大切にし、一つの命として、共に生き、暮らしていこうという思いで制作しました。絵の具から空、陸、海の動物たちが出てくるようにし、私たち1年生全員を周りに描いて表現しました。
【評】
紛争や環境破壊に傷つく命をテーマに、鮮やかな色彩で動物や自然を生き生きと、命の尊さと共生への願いを表現しています。動物たちの力強さに加え、周囲で楽しそうに駆け回る生徒たちのシルエットが、人と動物が共に生きる未来を象徴します。重いテーマを扱いながらも明るく伸びやかな表現で、平和と希望を力強く訴える作品です。
※この作品は、日学株式会社の社員投票により選出されました。
・描かれているライオンや虎などの動物が生き生きとした絵に惹かれました。
・色が綺麗で見ていて楽しいです。根底にあるテーマは重いモノのようですが、どの動物も細かくしっかり描かれているので見やすいです。また、チョークでこの写実性を出せる技術も凄いと思いました。
・世界紛争や環境による被害は、人間だけでは無く動物たちにも被害が出ている世の中で、命を大切にし、動物たちと共に生きていく力強さを感じられる良い作品でした。
・色の使い方が面白く、構図もパワフルで元気があってよいと思いました。
・今現在世界で起きている紛争を自分たちの事としてとらえていると感じました。
アイデア賞
いわき市立中央台南中学校/中央台南中学校美術部3年/10人
作品名:目一杯に映る春
卒業をイメージして、桜が映る目を描きました。思い切ってモチーフを一つに絞り、色を重ねてリアルさを追求しました。全員で真剣に黒板と向き合って、思い出に残る制作ができて良かったです。
【評】
大胆に「目」というモチーフに絞り込んだ構成が印象的で、視線の先に広がる桜の風景が繊細に描かれ、卒業という特別な季節の空気感が伝わります。顔の色味や細部の表現にも工夫が感じられ、まっすぐで素直な気持ちが込められた作品です。全員で真剣に取り組んだ時間が、この一枚からしっかりと伝わってきます。
ユーモア賞
むつ市立関根中学校/チームせきちゅー/6人
作品名:SKN School Life !!
関根中学校は本州最北端下北半島にある、全校生徒30人の小さな学校です。人数は少ないですが、個性豊かなメンバーの学校生活を黒板アートにしてみたいという気持ちで制作しました。
【評】
関根中学校の学校生活を垣間見られる作品です。コマ割による漫画的手法で黒板全面に学校生活で起きたさまざまな場面がちりばめられています。全体を通してチョークの筆圧が同じで、それが実際の印刷物のような平面的な表現効果につながっています。全校生徒は30人と聞きますが、お互いをよく知り、楽しい生活を送っている感じが見ている私たちにしっかりと伝わってきます。
日本白墨工業賞
熊谷市立熊谷東中学校/総合文化部美術コース/9人
作品名:光の導き ~モルフォ蝶の夢~
3年生にとっては、3年間の集大成、最後の挑戦になります。今まで以上の成果を残そうと目標をもって臨みました。ところが中々テーマやアイデアがまとまらず、モチベーションも上がらないまま、スタートが遅れ、6月半ばに始める予定が、なんと夏休みに入ってしまうことになりました。しかも今年は涼しいエアコンのある部屋も使えず、予定した作品も1枚勝負、使う黒板は2段の大黒板!引退期日間近と、いろいろとハードルが上がってしまいました。そんなピンチの中、いくつかのアイデアをきっかけに、今までやってきたマスキングアートなら、時短と個人の能力差もカバーできる、自分たちのスタイルに賭けることにまりました。モルフォ蝶のデザインや舞台セットのイメージ、全体をステンドグラスのイメージにすることでマスキングテープが生かせ、いつものグラデーションもマッチすることができました。モルフォ蝶が月に向かって飛んでいくのか、こちらへ向かって飛んでくるのか、どちらにも見える感じになりました。最終的になんとかできたのは、3月に参加した銀座で1日で大きな黒板に描く経験が生きたかなと思います。もっともっとできたなと言う気持ちもありますが、何よりもみんなで完成できた達成感のほうが大きいかと思いました。結果、引退は3日伸びました。
【評】
上下スライド黒板を一枚の壮大なステンドグラスに変貌させた、まさに圧巻の作品です。チョークとマスキングテープを駆使して光と色彩を巧みに操り、本物の透過光のような幻想的な空間を創り出す技術力には目を見張るものがあります。
美しいモルフォ蝶は、月に向かって飛び立つのか、それともこちらへ迫ってくるのか。観る人の想像力を掻き立てるこの構図は、静寂と躍動という、相反する魅力を同時に放っています。
アイデアの難航や厳しい制作環境といった逆境を、得意とするマスキングアートで見事に乗り越えた点も感動的です。チョークの繊細なグラデーションと独創的な技法とが融合することで、この作品ならではの独自性を感じさせ、観る者に深い印象を残します。
参加校一覧(都道府県順)
斜里町立知床ウトロ学校/上川町立上川中学校/千歳市立千歳中学校/夕張市立夕張中学校/むつ市立関根中学校/深浦町立深浦中学校/石巻市立青葉中学校/名取第一中学校/山形市立金井中学校/山形市立第五中学校/いわき市立中央台南中学校/郡山市立行健中学校/三春町立三春中学校/大玉村立大玉中学校
ひたちなか市立勝田第一中学校/結城市立結城中学校/古河市立総和北中学校/守谷市立けやき台中学校/加須市立加須東中学校/熊谷市立熊谷東中学校/熊谷市立富士見中学校/日高市立武蔵台小中学校/富士見市立富士見台中学校/市原市立ちはら台西中学校/千葉市立椿森中学校/匝瑳市立八日市場第二中学校/野田市立岩名中学校/流山市立八木中学校/江戸川区立南葛西中学校/江東区立有明西学園/板橋区立志村第四中学校/武蔵野市立第三中学校/立正大学付属立正中学校/練馬区立貫井中学校/六本木中学校/茅ヶ崎市立円蔵中学校/茅ヶ崎市立松浪中学校/厚木市立荻野中学校/厚木市立睦合東中学校/松田町立松田中学校/逗子市立久木中学校/川崎市立金程中学校/川崎市立生田中学校/川崎市立西高津中学校/川崎市立川崎中学校
柏崎市立鏡が沖中学校/本巣市立真正中学校/静岡市立清水第二中学校/浜松市立都田中学校/富士宮市立芝川中学校/春日井市立岩成台中学校/西尾市立平坂中学校/豊橋市立青陵中学校/名古屋市立植田中学校/名古屋市立振甫中学校/名古屋市立神の倉中学校/名古屋市立猪子石中学校/桑名市立陵成中学校
京都府立南陽高等学校附属中学校/関西大学第一中学校/守口市立大久保中学校 /八尾市立曙川中学校/神戸市立丸山中学校/神戸市立本山南中学校/神戸市立竜が台中学校
鳥取市立東中学校/八頭町立八頭中学校/出雲市立第三中学校/玉野市立宇野中学校/新見市立新見第一中学校/倉敷市立連島中学校/熊野町立熊野東中学校/広島県立広島中学校/東広島市立松賀中学校/府中市立府中学園/福山市立神辺中学校/小松島市小松島南中学校/石井町石井中学校/徳島市南部中学校/丸亀市立飯山中学校/松山市立北中学校/東洋町立甲浦中学校
久留米大学附設中学校/大牟田市立甘木中学校/北九州市立広徳中学校/熊本市立五霊中学校/大分大学教育学部附属中学校/宮崎市立大塚中学校/石垣市立大浜中学校
【評】
北海道ならではの動物たちが勢いよく飛び出す迫力ある構図で、細部まで丁寧に描写されており、鳴き声まで聞こえてきそうです。制作中に実際に熊が現れ部活動が中断されたという出来事も、この作品にさらなるリアリティとインパクトを与えています。